どこでも耳にするようなその名前の通り、どこにでもあるような、これといった特徴もない普通のお祭りだ。
でも、CHINDONにとっては別だ。
世の中に無数の祭りがあれど、この行田春祭りほどCHINDONにとって大切な祭りは存在しない、と言っても過言ではない。
なぜか。
お答えしよう。
それは、この行田春祭りこそCHINDONが生まれるきっかけとなったお祭りだからである。
このお祭りがなかったならばCHINDONは誕生しなかったのだ。
話は7年前に遡る。
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2007年4月17日。
エコスの向かいの家から2人の青年がなにやら興奮気味に外へ出てきた。
1人はハンディカムを片手に構えて、もう1人は黒いドレスに真っ白な顔と手足をはやしている。黒いドレスの男を先頭に、2人は市役所の方へと足早に歩いていく。
市役所が近づくと、通りが封鎖されて警察官が数名立っている。歩行者天国だ。その向こうには露天が並び、独特の暖かい光が周辺の空をほのかに明るくしている。そうだ、今日は行田春祭りが開催されているのであった。
男たちは歩行者天国になった通りの真ん中へ歩いていく。道路のセンターラインの上に市を決めると、黒いドレスの男が左手に納豆を構え、右手には書道用の筆を持ち、そして首からは「日常的納豆行為芸術」と書かれた札をさげて、納豆をかき混ぜながらゆっくりと歩き始めた。ビデオの男はその数メートル先から後ろを振り返りながらゆっくり進む。撮影をしているのだ。
2人はゆっくり進んでいく。
次第にお祭りに来ていた人達が2人の存在に気がつき始める。
ドレスの男の異様な姿と、納豆を混ぜるという不可解な行為に興味を惹かれてか、多くの中学生たちが後をついて歩いてくる。大人たちは不安そうな目でそれを眺めている。
男たちと中学生たちは集団となって、春の夜の風に紛れていった。
♨
再び2014年。
あれから7年の月日が流れた。
今日は4月17日。今日もあの春祭りが行われている。
どこからともなく、楽器の音が響いてきた。
何やら歌のような声や、かけ声も聞こえる。
CHINDONだ。
7〜8人のそれぞれに個性的であでやかな格好をした集団が、手に手に楽器のようなものを持ち、それをがちゃがちゃと鳴らしながら陽気に歩いてくる。
「アソーレ!」
「アヤーレ!」
「アヨイショ!」
と、かけ声が響く。
そのうちに今度は歌が始まった。
単調なテンポに簡単な言葉を乗せただけのシンプルな歌だ。
「あのまち、このまち」
「CHINDON!CHINDON!」
サビと思われる部分になると周りの人達も一緒に歌っている。
行田の春の祭りの夜に、なんともハッピーな空間である。
陽気な音楽と歌に包まれながら、集団は春の夜の風に紛れていった。
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2007年の出来事と、
2014年の出来事は、
CHINDONメンバーのある2人の人物によって繋がっている。
1人はSEED代表の野本翔平。
もう1人はSEED音楽班の横田智大である。
2人は現在ともにSEEDのメンバーとして活動している。SEEDの活動は2012年からだが、実は2人の出会いは2007年に既に起こっていたのである。
それが2007年4月17日の行田春祭りだ。
このとき黒いドレスに白塗りで納豆を混ぜていたのが野本であり、横田は当時中学生で野本の後をついてくる集団の中にいたのである。
この事実は2010年に野本がSEEDを始めて、加藤智弘(SEED音楽班)らから伝えられるまで、明るみにならなかった。
そして実はこの事実からCHINDONは生まれている。
野本と横田のように、ある日の偶然の(少し衝撃的な)出会いから、7年の空白の歳月を経て、再び一緒に活動するというようなことが、CHINDONの活動からも起こるかもしれない。「子供の頃に見ました!」ということをあと数年後に誰かから言われるかもしれない。それは結構素敵なことではないか。
そう思ったところから、CHINDONのアイデアは生まれた。
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小さなまちの、小さな出来事ではあるかもしれない。
でもある人にとってはとても大切な小さな出来事なのかもしれない。
CHINDONはそういう存在であれたらいいと思う。
またお祭りの日に、
共に陽気な姿でお会いしましょう。
そしてまたあの歌を歌いましょう。
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CHINDONのテーマソング「CHINDON CHINDON」
http://seed-2014.blogspot.jp/2014/04/chindon-chindon.html
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