4月20日に開催したSEEDワークショップのレポートです。
(アップが1ヶ月も遅れてしまい大変申し訳ありません。)
4月のSEEDワークショップは講師に福井陽介(まぎぃ)さんを迎え、
「ぶっちゃけ、音ってなんだ?」と題したワークショップを開催しました。
(講師の福井陽介=まぎぃさん)
まぎぃさんは音楽、美術、ダンス、パフォーマンス、アートプロジェクト、ゲームなど多方面で活躍されている若手のアーティストです。
今回のワークショップでは、身の回りの様々な「音」から一つの作品を創造するということを行いました。SEEDではこれまで主に演劇やダンスなど身体表現についてのワークショップを行ってきましたが、より広い視点で表現を捉えたいということから、今回まぎぃさんに来てもらい、音から想像・創造するワークショップを行ってもらうことにしました。
今回のワークショップについて、まぎぃさん自身もブログに詳細な振り返りを掲載しています。ぜひこちらもご覧ください。
福井陽介(まぎぃ)ブログ「音の環」
”SEEDワークショップ「ぶっちゃけ、音ってなんだ?振り返り」”
http://wheelofsound.blog135.fc2.com/blog-entry-340.html
それでは、当日の模様を画像と動画も含めてレポートします。
まずは自己紹介。
この日の参加者は全部で9名。(この時点では8名。1名は午後から参加。)
地元の方が6名と、都内からの方が3名でした。年齢層は10代〜20代が7名、40代〜50代が2名。男女比は5:4。結構バランス良く集まっていただけました。
名前の他に今朝食べたものや飲んだものなどもそれぞれ話しました。
次はアップ。
まずはチャンティング。
身体がリラックスできるように声を出しながらストレッチをします。まぎぃさんが教えてくれます。
声の大きさでボールの大きさや速さを現してもらいます。
やっているうちにみんな自然と身振り手振りでもボールの大きさや速度を表現するようになってきました、ボールの投げ方も、転がしたり、バウンドさせたり、いろいろ。
最初はペアでのキャッチボールから始めて、最後は4人一組でのキャッチボールを行いました。これで身体も頭もほぐれた!
アップが終わり、ここから今日のワークショップの本題に入っていきます。
まずは「音を感じて動いてみよう」というワークから。
まぎぃさんが選曲してきた様々な楽曲をDJのように一定の間隔で切り替えながら流します。ポップス、ロック、メタル、ハードコア、ダンスミュージック、クラシックなど明確にジャンルの違う曲が流れます。
流される音に対して、参加者の方々はそれぞれ感じたように歩いてもらいます。
それぞれの歩き方を見ていると、普段からよく聴いていると思われる曲と、まったく聴いていないと思われる曲とがあり、それぞれの人の音楽的な趣味(世代や年代なども)がなんとなく分かるような気がしました、「身体に出る」とはこのことか。笑
歩いてみてどう感じたかをまぎぃさんが聞き取ります。
そして次にやってもらうことを支持します。
「かたい / やわらかい」の感覚を意識して歩いてもらいます。
かたい、やわらかいというのが見ていてとても分かりやすい歩き方をしている人もいれば、どちらなのかよくわからない歩き方の人もいました。
続いて今度は、「さむい / あたたかい」で同じことをやってもらいました。
さむい、あたたかいの方がより一層歩き方の違いが分かりにくくなったように思いました。
ワークの後はしっかり振り返りを行います。今回全てのワークにおいて実践と振り返りがきちんと行われ、まぎぃさんの真面目さを感じました。参加者の方々にとっても、さっき自分がやったことをきちんと振り返ることで、一時的な体験を継続的な経験として積み重ねることが出来たのではないかと思います。
横田君(左)と加藤君(中央)は普段は音楽活動をしていて、身体表現などは未経験でしたが、音から創造する今回のワークショップをとても楽しんでくれていました。
高橋君(右)は普段は役者をしていて音楽には特別詳しいわけではありませんが、言葉からではなく音から作品を作るという試みに興味深く取り組んでいました。
ジャンルの違う表現者たちが創作の時間を共有できたのも今回のワークショップの大きな成果だと思います。
ここでお昼休憩♨
各自持ってきたお弁当などを食べながらわいわいがやがや。
そして、午後のワークがスタート!
午後は、今回のワークショップの主題である「身の回りの音から作品を作る」ということを行います。
まず参加者を二つのグループに分けます。今回は演劇経験者と未経験者がいたので、経験者が偏らないようにグループ分けをしました。
まぎぃさんから各ブループにそれぞれ異なる「音」が渡されました。また各人に作品を作る為のワークシートが配られました。
ワークショップに参加すること自体始めてな人が多かったので、ワークシートはとても役に立ったようでした。
各グループを頻繁に行き来しながら作品づくりのアドバイスをするまぎぃさん。おかげでどちらのグループも行き詰まることなく作品づくりの議論を展開していくことが出来ていました。
話し合いにはたっぷり時間を使ってもらいました。
そのうちに自然と始まった立ち稽古。
発表の時間ギリギリまで議論と稽古は続きました。みんな真剣です。
ちなみに、今回の参加者の中には3月のSEEDワークショップを担当してくれた戯曲本舗のメンバーが2名参加してくれていました。この作品づくりのワークでは2人の力もとても良く働いて、それぞれの班の作品づくりを進行してくれていました。
そしていよいよ作品発表!!
まずはA班。
発表が終わったら、見ていた方からの質問・感想と、
発表した方からの感想を述べ合いました。
観ていた側の感想として何人か共通していたのが、「みんなが日々変わらない仕事をしている中で、1人がそれに疑問を感じてその日常にあらがっていく」という見方でした。
続いて、B班です。
発表が終わったら先ほどと同様に感想や質問を言い合います。
予定していた全てのワークを終えたところで、最後に全員で今日一日のワークについての振り返りを行いました。
参加者の方々は皆それぞれにとても満足していただけたようでした。
「とにかく楽しかった」という意見が多かったです。
ワークショップ事態始めてという方が結構いたので、どうなるかと思いましたが、参加者の皆さんの飲み込みの早さと、そしてなによりまぎぃさんの入念な準備のおかげで、実りの覆いワークショップになったようです。
さて、
ワークショップはここで終了しましたが、
この日の話にはまだ続きがありました。
この日、夕方6時からは本町にあるパン屋さん翠玉堂で、野本(SEED代表)が毎月1回定期的に開催している小さなアートイベント「パン屋会」が開催されました。
まぎぃさんは今回のワークショップの一環として、このパン屋会でソロパフォーマンスを行いました、
まぎぃさんのパフォーマンスは個人のセンスとスキル、それから翠玉堂の空間を活かした、素晴らしい作品でした。
ワークショップに参加した方々にとっては、講師をしていた人のパフォーマンスは特別な物に見えたのではないかと思います。
また、ワークショップに参加していた原田さんは、早速パン屋会でワークショップで学んだことを活用したパフォーマンスを行っていました。学んだことがすぐ活かせる場所があるというのは良いことだと思いました。
最後に、
実は今回、まぎぃさんは2日前の金曜日から行田入りして、SEEDの拠点であるRUSKに滞在し、ワークショップとソロパフォーマンスのための制作を行っていました。ショートショート・アーティスト・イン・レジデンスでもあったわけです。
まぎぃさんが滞在してくれたおかげで企画側も柔軟な対応が出来、より良いワークショップ行うことが出来たと思います。
汚い部屋に滞在しながら、素晴らしいワークショップとパフォーマンスをしてくれたまぎぃさんに改めて感謝します。
ありがとうございました!
(布団たたきをしてくれているまぎぃさん)
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